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怪我を気にせずもっとたくさん走りたい
中学校で陸上部に入って長距離を始めてからもうずいぶんと長い時間が経ちます。
競技としては学生時代で終了しそれからは趣味で走り続けていますが、社会人になってからはタイムを追うことは二の次になりました。いや、やっぱりいまでもマラソン大会とかに出場するとなればできるだけ良いタイムで走りたいと思うのは思うのですけどね。
ただそれよりも、自分が心地いいと思えるペースで1キロでも多く、そして人生を終えるまで1日でも長く走り続けたいというのが一番のモチベーションになりました。
練習メニューとかそういうのは全く考えずにとにかく朝ちょっとだけ早起きして、満足するまで走って、心地いいくらいの疲労で帰宅して、朝ごはんを目一杯食べて、集中して仕事をして。
へとへとになって帰って晩ごはんを目一杯食べて、ちょっと晩酌して、ぐっすり眠る。
こういう生活を人生の中で一日でも多く経験したいのです。
なので、トレーニングとか休息日とか、走ることをあまりそうやってしゃっちょこばって考えずに、好きなときに好きなだけ走りたいのです。
多分このエントリーを読んでいる方の中にはそういうスタンスで走っている方も多いのではないかと思います。
とにかく気持ちいいから走り続けたい。こういう気持ちが持てるのって、幸せですよね。
ただ、その趣味を続ける上で立ちはだかってくるのは「怪我」です。
ランニングは自転車とか水泳など、他の有酸素系スポーツに比べて脚に負荷がかかる分、走れば走るほどに怪我のリスクが高まります。
自分が満足いくまで走りたい。でもそこまで走ると怪我をするかもしれない・・・ランニング、ジョギングを趣味にしている人の多くは常にこのジレンマを抱えています。
怪我をきっかけにシューズを再考する
私ももちろんこのジレンマに苛まれている一人です。私は現在、平日は早朝出勤前に19キロ弱、休日は25〜30キロくらいの距離を走ります。ペースはだいたいキロ平均4分30秒〜5分くらい、きつくもなくいつまでも走っていたいって思える私にとって「一番気持ちのいい」ペースです。
気が向いた時には走っている途中でインターバル的にペースを上げたり、中盤くらいからビルドアップして4分切るくらいまで上げたりすることはありますが、頻度はそんなに高くありません。
基本的に「毎日」走りたいと思っているので、無理に追い込んで疲労したくないというスタンスで続けています。
ただ、無理をしないと心がけてはいても毎回の距離が比較的長いため、脚に違和感や痛みが出ることがあります。
走っている途中で違和感を感じた時は、できる限り即座にランニングを中止することにしてはいるのですが、でも気持よく走っている途中でやめるのって、難しいんですよね・・・
そして違和感を感じた時は「さすがに明日は休むか、走ったとしてもキロ7分くらいで少しだけ」などと思うのですが、いざ翌日朝起きて走りだすと、ついついついついいつものペースでいつもの距離を走ってしまうんです(多くの市民ランナーの方は共感していただけるのではないかと思います)。
で、最終的に違和感は痛みとなり、最終的に故障へとつながるわけです。
そんなわけで前回お医者様にお世話になったのが先月。
その時の診断は右の足首まわりの「関節炎」だったのですが、現状のラン生活を伝えたところ、
「それだけの距離走り続けたいのであれば、もっとクッションあるシューズ履かないとだめだよ」
とアドバイスをいただきました。
結局2週間程度の安静を言い渡され、もどかしく気持ちの悪い(どうして走れないとこんなに気持ち悪くなるのでしょうね)生活を余儀なくされました。
そしてこれをきっかけに、「なるべく怪我を少なくするべくシューズを選ぶ」という視点でシューズを見なおしてみようと考えました。
初めてのBrooks
今まで、私のシューズを選ぶ基準というのは、
「とにかく走りやすくて自在にスピードの上げ下げができるシューズ」
というものでした。
学生時代、競技として長距離をやっていた頃は、ヒールの厚いシューズはどうしても重くて走りにくいというイメージがあって敬遠していたんですよね。シューズは軽くてスピードを自在にコントロールできるものが一番、という価値観でシューズを選んでいました。
社会人になって趣味で走るようになってもその感覚がどうしても抜けず、ゆっくりと長い距離を走るならクッション性があるものが望ましいということは頭ではわかっているものの、選ぶシューズはアシックスのターサーシリーズであったり、ミズノのウェーブエアロシリーズだったりと、スピードトレーニング向けのモデルばかり選んでしまい・・・
前回の怪我をしたときに履いていたシューズはAdidasのAdizero Mana 7だったのですが、これも今までの私の例に漏れず、軽いシューズでした。
履き心地もよく、クッション性もそれなりにあり、快適に走れてとてもいいシューズだと思っていたんですけどね。私の現在のランニングライフには不向きなシューズだったのかもしれません。
というわけであれこれランニングシューズについてネットで情報を仕入れてみること幾数日。
アメリカ最大シェアを誇るランニング雑誌「Runnner’s World」のWebサイトにて、Brooksの「Ravenna 5(ラベナ 5)」というシューズが大絶賛されているのを目にしました。
フィット感と安定感が抜群だけどレースでも使えるなんていうレビューが散見されたので、「ほんとかよ?」と思いながら詳細をいろいろ調べてみるとソールはかなり分厚くクッション性は外見からして問題なさそう。ただ、そういうシューズは例に漏れず重量があるのだろうなと思って重量を見てみると、「10.3オンス」と書いてある。
1オンスが約28グラムなので、10.3オンスだと300グラム弱。おお、このクラスのシューズにしては相当軽いじゃないですか。
これは悪くないんじゃないかなーと思いつつ、他のレビューも見てみると、やっぱりかなり皆様このシューズに対する評価はすごく高いんですよね。
ブルックスって、今まで選択するランニングシューズのブランド候補に入れたことがなかったので正直かなり迷ったのですが、アメリカのランニングファンの間ではアシックスと並んで人気ブランドだというし、とりわけこのRavenna5は「全米で一番」売れたという触れ込みだというし・・・という補助的な情報にあてられ、価格もそれほど高くないし、そこまで言うなら一度試してみよう!と購入を決意しました。
こちらが私の決意の結果届いたRavenna 5の外箱。
にぎやかでかわいくて適度に力が抜けていていい感じです。
これがかかと部分。かなり分厚いのがわかると思います。
でもね、持った感じはかなり軽いんですよ。
サイドと裏側。裏側をよく見るとヒールの底部分に「RUN HAPPY」と入っている。
おまじないをしてくれているみたいで、なんとなく嬉しい。
これが履いてみたところです。普段のサイズが26.5センチ、これも26.5センチでぴったりでした。
ヒールが厚い分、今までよりもちょっと視点が高い感じがしますがすぐに慣れました。
フィット感はレビュー通り抜群。そして見た目以上に軽くてびっくりしました。
実際に走ってみました
外見はともかく、とにもかくにも走ってみなくちゃ評価はできないので、走ってみました。
故障あけだったので、慎重に慎重に。
でもある程度の距離は走りたかったので、いつもどおり19キロ弱。
走り終えた直後。別のエントリーで説明していますが、Garmin 220Jは大変お気に入りです。
結論からいうと、めちゃくちゃ走りやすかったです。
クッション性は見た目通り抜群。なので今まで感じていた15キロ以降からの脚の疲れが激減です。
それでいて軽いので、走り自体はとても軽快。スピードを上げたいと思った時に素早く反応してくれるし、反発力もしっかりとあるのでスピードに乗って走ることもできるんです。
(この性能はBrooks独自の「DNAクッションシステム」という技術によって実現されているとのこと)
慎重に、慎重にと思っていたのに、安心してスピードを上げることができるもんだから結局ほぼいつもどおりのタイムに。
というわけで、履いた初日は大満足。いつもより脚の疲労も少なく、軽快に出勤することができました。
連日とにかく走ってみました
ただ、私の希望は毎日走り続けること。
毎回1キロでも多く、そして1日でも長く走り続けたいという希望に応えてくれるかということが重要なわけです。
というわけで6日ほど連続で比較的長い距離を走ってみました。
2日目が25キロ、3日目が21キロ、4日目が26キロ、5日目が18.5キロ、6日目が30キロです。
2日目の結果。前日同様すいすい走れました。20キロ過ぎても脚の痛みや違和感に対する不安はほぼなし。
3日目。さすがに前日25キロ走っていたので普通に少し疲れていましたが、脚に対する不安はなく「それなり」に完走。
4日目。1日おきの25キロオーバーは初めての経験。さすがに脚にダメージくるかな、と思ったのですがまったく。20キロすぎて少し疲れましたが、とても気持ちよく走り切ることができました。
5日目。この日は出勤時間の関係で18.5キロ。脚のダメージはなかったけど、前日の25キロの疲れが少し残っていたのと、前日のご飯の量が足りなかったのとでいまいち力強さに欠けるランニング。
ちゃんとご飯は食べないとだめですよね。
6日目。ここまで連日走りこんできたけれども、もう少しだけ距離を伸ばして感触を確かめたいと思い30キロまでいってみました。
さすがに脚への負担が怖かったので、キロ5分15秒平均くらいでいこうと思っていたのですがいざ走りだしてみると思った以上に脚が軽かったので結局キロ5分前後。
20キロあたりからはさすがに疲労を感じ、脚が重くなってきたのですがクッション性だけでなく反発性もしっかりしているのでスピードを大きく落とすことなく、ラストは少し上げ気味で完走することができました。
走り終えた後の脚のコンディションですが、起伏があるコースなので大腿部が少し筋肉痛になりましたがその他は全く問題なし。
というわけで6日間走りこんでみましたが、脚に対するダメージというのが今までとくらべて激減。
こりゃ毎日好きなだけ(時間と体力が許す範囲でですが)走れるわ、と思った次第です。
私のニーズからするとほぼ理想のシューズでした
というわけで、このBrooksのRavenna 5、長い距離を好きなだけ好きなように走りたいという私にとっては願いを叶えてくれるシューズでした。
とにかく不安なく距離を伸ばせるので楽しくて仕方ない。靴底に彫られたBrooksのスローガン、”Run Happy”は伊達じゃないです。
「明日、脚痛くないといいな」という不安から開放されて、翌日のランが楽しみになるとても素敵なおまじないでした。
ランニングシューズの選び方は人それぞれの哲学がありますし、用途によって変わるものでもあります。
トレーニングの質によって使い分けることも重要です。
もし私のようなスタイルで長い距離を走りたいと思われている方、あるいは走り込み用のいいシューズを探されている方がいらっしゃれば、Ravenna 5はかなりおすすめです!ランニングシューズとしては比較的お手頃価格に設定されているので、興味があれば試してみてください。
※現在はRavenna 6が出て、こちらがメインストリームになっております。それにともないラベナ5の価格が結構下がっておりますので、旧型モデルでも気にしない!という方は、お値頃価格で出回っているうちは5を購入されるといいかもしれません。
型落ちでも性能は保証します!!
※(2016/12/30追記)現在はRavenna8まで発売されておりますが、メインストリームはRavenna7です。Ravennaの基本性能は継承されておりますのでどれを選んでも間違いないのですが、Ravenna8は現在品薄です。
全モデルのラベナ6が比較的手頃に出回っておりますので、よろしければこちらも。
関連:ウルトラ用にBrooks Launch3 を購入しました