先日、東京は柴又で開催された、第3回柴又100Kに出場してまいりました。
出場を決めたのが2015年の1月末。
フル以上の距離は走ったことはありませんでしたが、特に飽きることもなくゆっくり長く走ることが比較的得意であると感じていた私は、超長距離に対してそこそこ適性があるのではないかと思い、また、完走できてもできなくても話しの種にはなるだろうといういくぶん軽い気持ちで出場を決めました。
レースまでの準備
レースが行われるのはは2015年6月6日。実際に意識をしてトレーニングを開始したのは、2月9日のいわきサンシャインマラソン(撃沈)のあとでした。
とにかく100キロ動かし続けることのできる足をつくろう
いざ、100キロマラソンのトレーニングを走ろうと思っても、何から始めたらいいかよくわかりません。
ただ、とにかくまずは完走することを考えた時、必要になるのはなによりも「100キロ走りきるための足」をつくることであると考えました。
柴又の制限時間は14時間。1キロ8分20秒ペースでいくと100キロで13:53:20。
普段ゆっくりジョギングするとき、大体のペースがキロ6分。
そのペースでいって、途中バテてしまったとしても、足が止まりさえしなければ制限時間内での完走は十分可能であると思ったのです。
なのでとにかくどんなスピードでもいいから100キロ足を動かし続けるようになる、これを最初の目標にトレーニングを始めました。
私がランニングに使える時間は朝の出勤前の時間(朝ランはとても気持ちいいですよ!!)と週末。
主に土曜日を超長距離を走る日と決めて、日曜日は完全にお休みする日とすることにしました。
あれ、意外にすんなり走れちゃうんじゃない??
そんなわけでトレーニングを開始し、2月は隔週ごとに40キロ、そして3月には隔週で50キロを走ることにしました。
平日は今までどおり15キロを体調を見ながら4分半〜5分くらいのペースで。
もともと長く走ることにあまり抵抗を感じないので、50キロくらいまではとくに苦もなくこなすことに成功。
1周10キロ強の周回コースを走っているのですが、4〜5時間とくに音楽を聞いたりするわけでもなく、とにかく淡々と走り続けることができる自分は、「この種目はもしかしたら自分にものすごく向いているのかもしれない」と錯覚するに至ります。
そうするともちろん記録に対して欲が出てきて、どうせ100キロ走るなら、ウルトラランナーがひとつの目標にしている「サブテン(10時間切り)」という考えが頭をもたげてくるに至るわけです。
50キロ程度だとキロ6分切るくらいで比較的余裕を持って走り切ることができていたので、このままあと50キロ走れれば10時間切りは可能。
100キロの距離となるとトイレに行ったりエイドで小休止したりするだろうから、10時間で余裕を持って走り切るためには実質5分40秒くらいで走ることが必要です。ただ、肉体的な感覚からするとそれくらいのペースまでは上げられそうであったので、6月の本番に向けて目標を再設定、
「5分40秒で100キロ走りきれる足をつくる」
ということを目指していくことにしました。
そしてさらに距離を伸ばしていこうと思った4月。
自分の考えがとても甘いものであったことを思い知ります・・・・
50キロ以上は別世界
4月の初旬、初めて60キロ超の距離に挑戦します。
50キロまで比較的余裕をもって走れていたのだからプラス10キロくらいどうってことないはず。辛くなっても少しペースを落とせば大丈夫だろう。
そんな軽い気持ちで走り始めました。
この日はこの時期にしてはとても暖かく、寒いのが大嫌いな私にとっては走るのに絶好のコンディション。身体の調子も良く、走り始めはかなり抑えめに入ったものの、10キロ過ぎくらいからは快調にペースを上げてキロ4分台のラップを刻むこともしばしば。
フルの通過が3時間40分を切ってもまだ余裕。どこまでも走れる気がして
「おお、なんか10時間とは言わず9時間切りとかだって目指せるのでは??」
なんて思っておりました。
そんな甘い考えが突如として覆されるのが50キロを過ぎ、自分にとって未知の距離に入ってすぐのこと。
今まで快調にリズムを刻んでくれていた足が、ほんの少しの上り坂をきっかけに鉛のように重くなり始めました。
まあ上りだし、当然疲労もたまってきているだろうから少しくらいきつくなるのも当然だろう、でも平坦な道に戻ればまた快調に走れるだろう。最初はそんな風に思っていたのですが、自体はそんなに生易しいものではなく。
足を前に出せば出すほど、足の裏に鉛が追加されていくような感じで急激に足が動かなくなっていきます。今まで余裕でキロ5分前半で走っていたのが5分半、5分40秒とペースが落ちていきます。
50キロも後半に入ってからは足を前に出すのがやっと、くらいの感覚になり、ついには立ち止まってしまう状況にまで追い込まれます。
スピードを出しているわけではないので、心肺がつらいわけではないんです。とにかく自分の意思とは裏腹に足が動かない。前に出ない。
結局止まったり走ったりを繰り返しながら、なんとか65キロを走り終えました。ラストの方のラップは6分を超えてしまっています。
ガーミンの記録、トータルで見るとなかなかいい感じの記録になっていますが、
詳細で見るとこんな感じ、
ものの見事に右肩下がりのラップ。
とてもじゃないけどこのままあと40キロ弱の距離を走りきれる状態ではありませんでした。
足が止まっちゃった原因、余裕があるからといって比較的補給をおろそかにしてしまった結果、ガス欠になってしまった、中盤飛ばし過ぎた、などいくつか考えられますが、結局のところまだまだ100キロを走り切るだけの足ができていないのだとつくづく感じました。
残り2ヶ月、なんとか走りきれるだけの足を作らねばと、苦くも収穫の多いランとなったわけです。
2015柴又100Kウルトラマラソン参戦記 その②へ続きます。