コミュニティサイト経由での福祉犯罪

ITmediaの記事に,「警視庁調査に見る、コミュニティサイト児童被害の傾向と対策」というものがありました.

SNSなどコミュニティサイト経由で生じた児童の福祉犯罪の件数および関わった人々の属性等が記述された警視庁発表の資料をもとに考察を加えております.

最近はコミュニティサイトでのトラブルを未然に防ぐため,サイト上でのメッセージ(ミニメールと呼んでいるそうな)のやり取りを監視するという流れになってきているとのこと.

確かにSNSなどでは,現実世界でも知り合いでないかぎり,ある二人のプライベートなコミュニケーションを行う場は,そのサイトが用意しているメッセージングサービス以外はほとんどありえないため,それを監視することによってトラブルの芽を摘むという方法は効果的に思えます.

ただし,最近のSNSブームなどを見ていると,とてもじゃないけどすべての人間のミニメールを人的に監視するのはほぼ不可能に近い.したがって,機械的なフィルタリングのサポートが必要になってくると思います.ただし,すべてをコンピュータに判断させるのは危険なため,コンピュータは疑いのあるメッセージを選別し,最終的な確認を人間の手で行うという体勢が有効でしょう.

では,コンピュータと人間の手を組み合わせ,「トラブルの芽を摘むためのフィルタリング」を効果的に行うにはどうすればいいでしょうかね?ぱっとまず思いつくのは,メッセージ内にメールアドレスが書かれていたらそれはトラブルの疑いがあるため人間の目で確認するようにする,などの単純な方法ですが,これではさすがに人間の負担が大きすぎる気がします.トラブルに繋がらないような文脈でメールアドレスをメッセージの中に含むことだってたくさんありますからね.もうちょっと対象を絞る必要がありそうです.

となると,次に思いつくのは,ある人との一連のメッセージをすべてフィルタリング対象にして,そのメッセージの中で出会うことを示唆するような単語が含まれていたら,人間の目で確認をするようにするというようなものになりますかね.この中にはもちろん先のメールアドレスも含むと考えると,コンピュータから人間へチェックを求めるメッセージの量はかなり減ることになります.ただし,どのような単語をもって「この二人は出会おうとしている」とコンピュータに判断させるかというのは結構難しい.日本語だと表記ゆれの問題とかもあるからなおさら.あとは処理時間もかかっちゃいそう.

まあしかし今後必ず必要になってくる技術だけに,サービスを提供している各社がどのような監視方法をしてくるのか,要注目です.

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