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今年の東京マラソンはそもそも申し込むの自体を忘れて出られず、その昇華試合として茨城は古河の「古河はなももマラソン」に出場してまいりました。
ここのところ仕事がわたわたしていたり、寝不足だったりとややぐったり気味。それでも1月くらいまではなかなか快調に走れていたので、とりあえず、3時間10分切りを目指そうかなあとぼんやりと考えながら会場入り。日帰りできるって割には新宿から古河はやっぱり遠く会場ついただけですでに達成感。
サンスポ主催ということもあり大会はなかなかに派手で、開会式にはサンプラザ中野くんやデンジャラスのお二人とかがいたり。
そしてゲストランナーには松野明美さんが。おおこの人まだ走るのかって感心したり。
この大会、募集規模の割に会場が狭いため、手荷物を預けるとかトイレに入るとかでやたらと行列になってしまい、スタート前にトイレいっておこうと思ったんだけど全然進まず結局諦める。以前ナイトスクープで「トイレを我慢していたほうが足が速くなる」とかやっていたよなあとかちょっとだけポジティブに考えながらスタートラインに並ぶ。
スタート地点は比較的狭い道でした。フル出場者の1万人がそこに集まるから、なんだかとても渋滞の光景。
目標タイム3時間で申し込んだので比較的前のスタートなのですが、今回はそれでもかなり前に大行列。
スタートして、実際のスタートラインを踏むまで1分くらい。でもまあここで焦っても仕方ないので、まあゆるゆるとスタートを切る。
とりあえず1キロ4分30秒ペース目標で。いつもは目標ペースよりも10秒以上速く突っ込む(そして後半撃沈する)のだけれども、今回は体調も必ずしも良くないし、ペースを守ろうかなと抑え気味に入ります。
毎回そうなんだけど、普段一人で黙々と走っていて、たまのこういう機会に他のランナーを見ると、「あー、自分以外にもこんなに走るに脅迫な頭のおかしい人々(←褒め言葉)がいるんだなあ」って思って嬉しくなってついつい突っ込むんだけどとにかく今日はペースを守ることを優先。
混雑を抜けて5キロ過ぎくらいでちょうど4分30くらいを刻む人を発見。なんか上から下までアディダスのTechFitを身にまとっていてすごく几帳面なペースを刻んでいてサイボーグのような人だったので後ろについて勝手に「サイバーダイン」と命名する。
ぶれず正確なペースを刻んでくれるのでいけるところまでこの人についていこうとぴったり後ろにくっついて走る。
こりゃ楽ちんでいいやって思っていた矢先、サイバーダインさんまさかの12.86キロ(忘れもしない)で突然トイレで離脱。
え?あれ!?って思いながら、仕方なく自分でペースを作る。
まあとは言え1万人規模の大会。前を見据えればいくらでもちょうどいいペースの人はいるわけで、適当に抜いたり抜かれたりしながら中間点通過。この時点で1時間34分くらい。このペースだとまだ全然余裕なんだけど、油断は禁物、とりあえずこのペースを堅持しようと走る。
比較的余力ありなので、後半もしかしたら少しあげられるかもしれないと思い、とりあえず目標となるランナーを探す。
すると、200メートルくらい先に、背が高くて、どうみても速そうに見えないのったりした動きなんだけど、かなりいいペースで走っている人を発見。この人を「省エネ」って命名して、30キロまでに”省エネ”に追いつくということを目標にしながら後半戦に挑む。
大体いつも、後半戦に入ると私が学生時代競技をドロップアウトした原因である左足のしびれが出てくるのだけれども、最近、利き足じゃない右脚をしっかりふんばるとしびれがそんなに出ないということに気がついたので右脚をふんばるように意識して走りながらとにかく”省エネ”を追う。
追走途中で、100キロ世界記録保持者の砂田貴裕さんのTシャツを着たランナー(もちろん本人ではなく、ランニングクラブがあるのかしら?)が並走してきて、この人と一緒に”省エネ”追走トレインを組む。大体キロ4分25秒前後の快調なペース。
そして30キロ地点、いつもなら足が痙攣して左足がしびれて歩くかあるかないかくらいのペースまで落ちる地点なのだけれども、今日はまだいける。ただ、”省エネ”はまだ50メートルくらい先行。ただここで焦っても仕方ないので、35キロくらいまでに追いつけばいいと目標を再設定し、引き続き”スナダ”と追走体制を敷く。
が、31キロ過ぎで”スナダ”さんペースダウン。
三たび一人旅。
でも”省エネ”はもう目と鼻の先。いけるいけると思いながらしびれそうな左足から意識をそらして右脚で頑張る。
そして32.5キロ。ここで先行していた松野明美さんに追いつく。
この人すごい。もう結構な年齢だし現役引退してかなり時間たつのに、このペースで走ってる。さらには、沿道やすれ違うランナーの声援にすべて手を振って応えながら走ってる。
なんか今でこそイロモノタレント扱いされてるけど、僕が中学生〜高校生の時にニコニコドーでばりばり成績残してて間違いなく超一流のランナーで、僕は間違いなく彼女が颯爽と走る姿に憧れていて、そして引退した今もおそらくこういう仕事をするために鍛錬を怠らなくてというもろもろを認識した途端、自分は、あの頃の自分は人生で一番一生懸命だったよな、一番生きていたよなとか思った瞬間、様々な感情が胸に去来して思わず走りながら涙を流す。
ただ流石に、寒いので鼻水流しながら走っている人はいれど泣きながら走っている人はいないので顔を覆いながら、一言松野さんに「頑張ってください!!!中学の時から応援させていただいてました!!!」って声をかけて、「ありがとうございます!!」ってお返事してくれたのを励みに追い越す。
そしてセンチメンタルな気分になっている合間に”省エネ”を見失う。
あっれ、どこいったよ省エネとか思っているうちに35キロ通過。
さすがに35キロ過ぎると、痙攣の予兆がちらほら。左足の太もも、ちょっとやばいなって思い、ほんの少しペースを落とす。
ただ、かなりいいペースできているし、心肺はまだ全然いけるので、とにかく今の危機をやりすごしてラストに備える。
そして38キロ。痙攣の予兆がおさまった時点で心肺も脚もまだ余力あり。いけるいける10分切れるという期待も後押しし、ペースを上げる。
いつもだったらここでヘロヘロになってごぼう抜かれされるけど、今日は逆。ヘロヘロの人たちをごぼう抜く。オーバーペースでいきってたランナーをごぼう抜く。痙攣起こしたランナーをごぼう抜く。
40キロ通過で3時間弱。いけるいける。再び痙攣の予兆がきたけど、ここまできたらあと少し。痙攣したって走りきれる。ラストの給水所で水を補給し、ラストスパート。
スタート時点であった尿意は、たぶん汗と一緒に流れたのでしょう。もうなんとも思わない。”省エネ”は見えないけど、もしかしたら、このまますごく飛ばしたら追いつくかもしれないと思ってとにかくごぼう抜く。脚のしびれも大丈夫。踏ん張れる。まだ力出る。
ラストにこんなに力が出せるのって、最後まで全力出しきれるのってほんと、ひさしぶりだなーって感慨の面持ちで競技場に戻る。
そしてついにゴール。速報ネットタイムは3時間8分38秒。自己ベスト&目標達成。
感想としてはなかなかの出来だったのではないでしょうか。
結局”省エネ”には追いつけなかったし、あの時もう少し早目に追いついていたらもう少し記録伸びてたかなとか、いつも通り「たられば」はあったのだけれども、最初に設定した目標通りに走れたことにはとても満足だし、なによりこの頭のおかしい人達(含自分)と一緒に走れたことが楽しかったし、体調やらなにやらいろいろあった自分にとってはすかっとしたレースでした。
来シーズンは3時間5分切りを目指しますか。そしたらサブスリーもあとちょっとだ。
というわけで、今季のフルはおしまい。次は、6月の柴又100キロに向けて長い距離を走る練習します。今年こそ10時間切れるといいな。
そして今日くらいはぐっすり眠れるといいなって思いながらウイスキーあおりつつ、筋肉痛の脚をもみもみしながらまあまあご機嫌でこのポストを書いています。
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