アラフォー以降のトレーニングサイクルについて

2016年9月、シルバーウィークにお盆時期に取らなかった夏休みを加えゴールドに錬金、大連休に仕立て上げました。
自由時間がたくさんあることに対する興奮、時間を無駄にしてはいけないという焦り、そういう色々な気持ちが混ざった結果、1週間で170キロ弱を走り込むという暴挙に出てしまいました。普段は1週間でだいたい110キロ前後。「ランニング・フォーミュラ」の著者、ダニエルズ氏によれば、負荷を増やす場合は週10%以内に抑えて徐々に上げていくこと、という指標に対し、50%以上も負荷を高めてしまったわけです。

その結果どうなったかというと、はい、みなさまの予想通りです。故障しました。足の甲。
右足甲の腱鞘炎
連休最終日、走り込みの締めくくりとして20,000メートルのペース走をトラックで行い、だいたい想定通りのタイムで走れたので満足し、ご機嫌で帰路のジョグについていたとき、なんとなく右足の甲に痛みが。きっとちょっと疲労がたまっているだけだなと思い(込み)、翌日以降ちょっと確認のために走っては痛くし、といういわゆる「我慢のきかないランナー」の典型的なパターンで完全にしっかりとした痛みになってしまいました。

幸い足の甲の痛みで一番多い「中足骨疲労骨折」ではなく、軽度の足の甲の腱鞘炎で済みましたが、とは言えある程度休まないと良くならない。そんなわけでせっかく上り調子ではあったのですが強制的に休養を余儀なくされました。

自業自得とは言え、そしてランナーにはつきものとは言え、毎回辛いですよね。故障。ほんっと辛い。自転車とか水泳とか代替トレーニングはいくらでもある、と思うんだけど、違うんですよね。走りたいんですよ。だって走るのが趣味なんだもん。まあそんなことを言っても仕方なく、強制的に中断させられるリスクがあるようなスポーツを趣味に持ってしまった自分自身を恨めしく思いながら、どうしたら故障せずに済んだのか、次はどうすれば故障しないのかということに思いを馳せるわけです。

調子いいときはいくらでも走れそうな気がしてくるけど、結局フィジカルとメンタルは一致しておらず、特に我々くらいの40歳前後以降のランナーは、若い人たちとは異なり実際の感覚以上に身体に疲労が蓄積されており、本人は気が付かないまま実は身体は故障寸前だったということなんですよね要するに。きちんと脚の疲労を抜いてからトレーニングをしていれば特に炎症系、オーバーユース系の故障はしないわけで。

そんなことを思いながら、じゃあどんな感じで疲労を抜けばいいのか。よくわからん、と走れぬ日々を悶々と過ごしておりました。
そんな折、先日Runner’s Worldをパラパラとめくっていたら、ちょっと前の号にアメリカで40歳でリオのオリンピックマラソン代表になったMeb Keflezighi(メブ・ケフレジギ)のことが記事になっていて、彼のトレーニングサイクルについて触れている部分に目を引かれました。
Keflezighi's 9 days training cycle
一流選手だってもちろん、加齢に対する免疫を身につけることはできず、我々と同じく加齢による衰えを見込んだトレーニングをする必要がある。
そんな中で彼が取り入れたのは「9日間サイクル」。

多くのランナーはだいたい7日間サイクルでトレーニングサイクルを考えます。
月、木、土にインターバルとか距離走、ハイペース走などを行い、残りの日はジョグでつなぐ、みたいな感じ。市民ランナーの中でもかなりトレーニングを積まれる方は、例えば水曜日の夜就業後と、土日の2日間でポイント練習、などのようなサイクルを取っている方も多いのではないでしょうか。

その一方で、ケフレジギが取り入れたこの9日間サイクルは、ポイント練習が入った後は必ず2日間負荷を落とすという3日間を1セットとして、9日間の中にどういうポイント練習を入れながらトレーニングを組み立てていくかを考えていきます。詰め込まずともきちんと2日間で回復させてトレーニングを積んでいけば、結果を残せるということはこの歳でオリンピアンになっている彼自身が証明しているので説得力はかなりありますよね。

とは言え我々市民ランナーは普段の仕事があるのでこの「3日ワンセット」の考え方をそのままトレーニングに取り込むのは難しいのですが、少なくとも「回復は2日間かかる」と考えてその期間はしっかりと回復に専念し、次のトレーニングを行える下地を作るというサイクルを心がけるということはとても重要だな、と感じました。

「もっと走りたい」という気持ちに打ち克つというのも、トレーニングなんですよね。
身体だけでなく、気持ちもしっかりと鍛えないと、長く続けられるランナーにはなれないな、と反省。またがんばります!

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