第7回(2016) 奈良マラソンで初サブスリー

去る2016年12月11日。奈良県は奈良市にて行われた第7回奈良マラソンに出場して参りました。

今年3月のはなももマラソンで3時間9分を出して以来、サブスリーを徐々に意識するようになり、夏からはただのジョギング以外のトレーニングを取り入れて臨んだ今シーズン。
(経緯についてはまた別途書こうと思います)

奈良マラソン、今シーズンのフルマラソンとしては2戦目。緒戦はこちらもまた改めて書こうと思いますが、10月23日に鹿児島にて行われたツルマラソン。
ただこちらは30キロ過ぎに痙攣を起こして撃沈。3時間8分台。一応はなももの記録を上回ったものの、満足のいく結果ではありませんでした。
敗因は、フルに耐えうる足ができていなかったこと。
夏からのトレーニングでサブスリーのためのスピードはしっかりと養ってきたものの、長い距離を踏む機会が足りないままレースを迎えてしまいました。

その反省から、ツルマラソンから奈良マラソンまでの間、レースペースで30キロ走を2度、27キロ走を1度行って距離に対する耐性を養いました。
11月の月間走行距離は428キロ。距離に対する自信もある程度持ってレースに臨みました。
ツルマラソン以降、夏から抱えていた左足足底の痛みがやや強くなってしまったものの、走れないくらい悪化させることなく練習をまとめ、1週間前からはきちんとテーパリング。
3日前からカーボローディングを意識して炭水化物の量を増やし、ひとまずやれることはひとしきりやりきって当日を迎えることができました。
前日昼に奈良入りし、うどん屋さんで大盛りのうどんを食し受付を済ませ、夜はホテルの近所のお店で秋刀魚の塩焼きをおかずにご飯を山盛り2杯食べ9時頃には就寝。

前日昼食。ぶっかけうどん大盛。

前日昼食。ぶっかけうどん大盛。

当日12月11日の朝、5時に起床。身体を起こしがてら朝食を買いにホテル近くのコンビニへ。
天候は曇りで気温は1度前後。ちょっと冷え込みがきついかなあと思うものの、風はほとんどなく走りやすそうな雰囲気。コンビニでおにぎり3つと草大福1つを購入、それらをアクエリで胃に流し込みます。

スタートは9時。7時半くらいまでホテルでのんびりし、トイレもホテルで済ませたあと3キロ先の会場までジョグで向かいます。
会場までの道はランナーでいっぱい。否が応でも気分が高まります。

奈良マラソン会場

奈良マラソン会場

奈良マラソン会場

奈良マラソン会場

会場に着いて8時。ちょうど1時間前。できれば早目に整列したいので到着早々にウインドブレーカーを脱ぎレースの格好になり、防寒用に用意してきたビニールをかぶって手荷物を預ける。
一応トイレにも行っておこうかと思ったのですが、どこのトイレもかなりの行列だったので諦めてブロックに整列。
Aブロックでの整列だったのですが45分くらい前で5〜6列目。
気温は低かったですが、風がほとんどないのが幸い。用意してきたビニールの効果もあり、そんなに辛い思いをせずにスタート時間まで待ちます。
ちなみに事前の用意がなくとも、防寒ビニールを配ってくれていました。
また、この手の防寒具をスタート直前に係員の方々が回収してくれ、ゴミが散乱せずに済んだのもとても気持ちがよかったです。

そしていよいよ9時。スタートの号砲。
早目に並んだこともあり、スタートロスは6秒。

最初の5キロは下り基調。自然と足は動きますがまずは抑えて20分2秒。
大宮通りを5キロで折り返し、大仏殿前までやや上る次の5キロ。
一番斜度が高い近鉄奈良駅付近にはものすごい人数の応援の方々。
奈良マラソンは応援が素晴らしいってみなさんが口々に言うけど、まさにその通り。
応援が後押しし、上り基調のこの5キロも大きくペースを落とすことなく20分27秒。10キロ通過が40分29秒。

奈良マラソンはスタートする奈良市側と天理市側をはしる西名阪自動車道をまたぐ白川大橋の大きな起伏を中心に、小さなアップダウンが間断なく続く難コース。
今回の僕の作戦は、とにかく平坦と下りでキロ4分平均で走り、上りは我慢できる限り我慢するというざっくりした作戦だかなんだかよくわからないようなもの。
10キロから15キロは平坦なので、ここはキロ4分を目指して走ります。
ちょうどキロ4くらいの集団ができていたこともあり、集団の流れに乗るように、この5キロは19分55秒。

そしていよいよ最初の難関。往路の白川大橋を含む区間に突入します。
レースを迎えるにあたって事前にコース動画をかなり見てイメージしてきたのだけれども、想像以上に勾配がきつい。
前半抑えめに入っているので余裕はあるものの、スピードは全然あがらない。
20キロまでの5キロが21分6秒。キロ平均4分13秒。
あー、結構かかっちゃったなあと思いつつ、それでもサブスリーペースは下回っていないので、気持ちを入れ替えて次の5キロに備える。
20キロから25キロは一転下り坂。天理市内まで一気に下ります。

ただしこの下りで調子に乗りすぎると最大の難関の復路白川大橋で足が止まってしまうので、ある程度セーブ。
飛ばしたい気持ちをぐっと抑えてこの5キロ20分21秒。
ハーフ通過が1時間26分。

息も足もまだ余裕あり。ただまだ30キロにも到達していないので油断禁物。
とにかく無理をしないように慎重に足を運びます。

そして天理市内から奈良市内に戻る最大の難関。27キロから29キロにかけての復路白川大橋超え。
行きよりも勾配がきつく、壁のようにランナーの前に立ちはだかります。
先行するランナーも歩くようなスピードにまで落ちる人も。
僕ももちろんスピードは落ちるものの、息も足もまだ残っている。記録を狙うならここからが勝負だと思い、坂の途中で力を出す。
思う存分腕を振ってスピードをあげ、前へ前へ進む。
ここで先行するランナーを20人ほど抜いたでしょうか。

なんとか坂を登りきり、30キロ。ここで2時間4分弱。この5キロ21分16秒。
このままいけばサブスリーはもちろん55分を切れる。この難コースで55分を切ったら、自分にとってはかなり立派だろうとこの時点で目標を55分にセット。

坂を登りきった後奈良市内に復帰する30キロから35キロは下り基調。
精神的に、あるいは心肺的にはかなり楽なのだけれども、ただもうここまでさんざん上り下りを経験してきて、足の疲労は隠せなくなってきています。
32キロ過ぎでふくらはぎが痙攣の予兆。ぴくぴくいいだす。
ここで痙攣して立ち止まったらツルマラソンの二の舞。一瞬前回のトラウマが頭をよぎるも、ほんのすこしペースを落として対応。
下り坂なのでペースを少し落としてもそこまでブレーキにはならない。とは言え痙攣を抜きにしても足の疲労はかなりなものとなっており、この5キロは21分弱。
キロ4分12秒と下り坂にしてはかなり遅い。それでもまだサブ3ペース(キロ4分15秒)は上回っているので、焦るな焦るなと自分に言い聞かせます。
このまま痙攣せずにいければ少なくとも自己ベストは間違いない。

35キロからはとにかく痙攣を起こさないギリギリのスピードを維持。
痙攣というのは不発弾みたいなもので、とにかくいつ爆発するかわからない。
爆発したらすべてが終わるとビクビクしながら走ります。
本当はもっと前を追いたい。能力のギリギリまで出し尽くしたいと思うも、ただ今回はとにかくこのまま走りきることを意識しようと涙をのんで我慢。
35キロから40キロの5キロが21分32秒。キロ平均4分19秒。かなり落ちてしまったけど、でもこれ以上は出せない。

そして40キロ。見覚えのある道に戻ってくる。
レース前は、このあたりをきっと感慨深く走るんだろうなって思ってたけど、全くそんなことなく、頭の中はとにかく走りきることだけ。

41キロ。ラスト直前ではるか前を走っていただろう全体入賞レベルの選手が痙攣で道路の真ん中に立ち止まっているのを見かけます。
やめて、痙攣って伝染するんだから見せないで、って顔をそむけるように脇を通過。
この時点でようやくサブスリーを確信します。ラスト1キロどんなに遅くても3時間は切れる。ただ、55分はギリギリ。

ここからは最悪痙攣起こったとしても走りきれるとは思ったものの、ラスト、競技場に戻る最後の最後の上り坂で心が折れます。
きっと心の隅で、とりあえず3時間切れるんだからいいじゃんって思ってしまったのだと思います。

そしていよいよ競技場。トラックに入った時点で55分を超えていたけど、それでも3時間は切れる。

夏から「絶対3時間切る!」とムキになって練習を初めて、あちこち故障したり狙ったレースで撃沈したり。
練習のタイムから、これは大丈夫だろうという感触を得ていたとはいえ、やっぱり目標達成がいざ目の前に迫るとやっぱり感慨深く。こみ上げるもの、突き上げるものが多々あり。

小さいながらもガッツポーズでゴール。
手元(ネットタイム)で2時間56分8秒。グロス(スタートロスを含めたタイム)で2時間56分14秒。
4回目のフルで遂にサブスリー。
アマチュアランナー人口の上位3%についに名を連ねることができました。

naramarathon

55分は切れなかったけど、でもこのタフなコースで3時間を切れたことはとても大きな自信。先日のハーフで80分切った時点で、いけるって思ってたけど、当日まで不安で不安で夢でうなされるほど不安で。
嬉しいはもちろんだけど、とにかくほっとしたっていうのが第一。
自分が費やしてきた時間は、無駄ではなかった。向かってきた方向性は間違っていなかったって思えたことが本当によかった。

走り終わった後、自分へのご褒美。ささやかに打ち上げるべく、知り合いのお店に行って1週間ぶりのビールを飲む。
1週間ぶりのビールは、フルを走った身体に染み渡りあっという間に酔っぱらい、その後調子に乗ってハイボールやら焼酎やら梅酒やらを綿のように吸収し、4時から飲み始めて10時前にはHPゼロ。

覚えてるんだか覚えていないんだかっていうレベルでホテルに戻って服着たまま就寝。

そして数日経ってこれを書いている今、あー、やっぱり55分切れたなーとか考えてしまうものの、それは次の目標。
今シーズン、2月のいわきサンシャインと3月のはなももマラソンの2レースが残っているので、そこで達成できるようにまた身体を作り直そうと思います。

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