初サブスリーへの道のり③〜大まかなトレーニング方針、夏のサブスリーへ向けた練習

前回:初サブスリーへの道のり②〜目指したきっかけから続く

現状の課題とトレーニング方針

いざサブスリーを目指してトレーニングをしようと考えた際、現状の自分に足りないものとして真っ先に思いついたのは、

「スピード持久力」

でした。要するにある程度のスピードを出したまま、それを維持する力。
1kmくらいの距離だったらほぼ全力で3分20秒を切るくらいのスピードがありました。
サブスリーを達成するために必要なペースである4分15秒に対して、これくらいのバッファがあれば絶対的なスピードとしては十分だと思っていました。
ただこのスピードを持続する力がありませんでした。
ペースを落として、4分8秒くらいでも15キロ走れるかどうかくらいのレベルでした。

なのでとにかく夏場はこのスピード持久力をつけることを最大の目標として掲げました。

スピード持久力を高めるために必要なこと

じゃあそもそもスピード持久力とはなんなのか、どんな要素から構成されているのか。
僕は生理学とかスポーツ科学とかの専門家ではないのであくまで自分の主観なのですが、主に

・ある程度高い心拍数の状態を継続できる能力
・筋肉の中に疲労がたまった状態(いわゆる乳酸が溜まった状態)でも身体を動かし続けることのできる能力

の2つで構成されていると思っています。
要は
スピード持久力
 └心肺持久力
 └筋持久力
ということですね。

筋持久力、心肺持久力を高めるためのトレーニング

じゃあこの2つを徹底的に鍛えようじゃないかということで導入したのが、それぞれ

筋持久力強化→インターバル走
心肺持久力強化→ハイペース走

です。
世の中にはたくさんトレーニング手法がありますが、僕は残念ながらそれらをうまく組み合わせて効果的な練習にできるほどの頭も器用さも持ち合わせておりませんでした。
なのでもうとにかくシンプルに、インターバル走を繰り返すことで乳酸に耐える力をつけ、そしてある程度のハイペースで走り続けるハイペース走を繰り返すことで心肺を鍛えようと決めました。

トレーニングの頻度

基本的にインターバルとペース走を週に1回ずつ。
つまりポイント練習を週2回。
残りの日は10km〜15kmのジョグでつなぐというトレーニング計画にしました。

夏のトレーニング

そんなわけで実際に7月からスピード持久力を向上させるべく、トレーニングを開始。
インターバルなんて20年以上やっていなかったので、始める前は不安と恐怖でいっぱいでした。
あの吐くほどの苦しさをまた味わうのか・・・と。

でもまあ、一度目標を立ててしまった以上は仕方ないです。
立てた以上は、達成できるにしろできないにしろやらないと気持ちが悪くてしかたないので。

初めてのインターバルと目標設定

そして勇気を出して初めてインターバルをやったのが2016年7月12日。
1000mのインターバル3本。間は200mジョグ。

結果は、
3’43”
3’42”
3’40”

1本目はそれほどでもなかったのですが、2本目から吐くかと思いました。
足に乳酸がたまるあのいやーな感覚。
呼吸が最大級に荒くなり、耳がつまってよく聞こえなくなるようなあのいやーな感覚。
そうそう、これがインターバルだ。

だめだ、死ぬ。
と思いながら当然死ぬことはなくなんとか3本こなします。
2本目と3本目の間なんてほとんど歩くような感覚でしたが、なんとかインターバルトレーニングの体は整えた感じです。

朝出勤前に行ったのですが、この日は消耗しきって仕事どころではありませんでした・・・
繰り返せば楽になってくるはずと思いつつも先を思うとずーんと心の重々しい一日だったことをとてもよく覚えています。

この日はタイムも全然でしたが、サブスリーを達成するにあたって自分に課したインターバルの目標はとにかく
・3分30秒以内で5本
これを目指して続けていくことにしました。

初めてのペース走と目標設定

ペース走については、最初に最終目標として、

・20km(あるいは20000m)をキロ4分で走る

ということを掲げました。
ネットでサブスリーを達成した方の話などを読んでも、だいたいこれをこなせるとサブスリーの実現度が高くなるということだったので。

ただし、最初から20kmを目指すのも大変なので、ペース走は2種類にわけて

1. 目標のペースに及ばなくていいから、とにかく頑張るペースで20kmを走る
2.  目標のペースでこなせる距離できちんとこなす

とし、両者をバランスよく取り込むことで心肺機能を強化していくことにしました。

ちなみに一番最初に行ったペース走は、7月16日。
20kmのペース走。下り基調のコースなので比較的タイムは良くでるのですが、それでも1時間24分。平均ペースで4分12秒。
これでもかなり心拍数はあがったし、インターバルとは違った辛さがありました。

正直この状態からキロ4で20キロなんて行ける気はまったくしなかったし、いわんや4分15秒でフルなんてまったく想像できていませんでした。
本当にできるのかな・・・とものすごく不安になったのを覚えています。

とにかく継続、継続、継続

これ以降、真夏の間はとにかくインターバルとペース走を繰り返しました。

インターバルは2回目以降は4本、5本と本数を増やしていきました。
ペースは遅くてもいいので、本数をきちっとこなすことを重視しました。
ちなみに8月2日のインターバルでは
3’36”-3’32”-3’31”-3’30”-3’27”

8月11日のインターバルでは
3’35”-3’34”-3’27”-3’25”-3’21”

と少しずつですが速いペースでこなせるようになってきました。
また、間の200mジョグも少しずつ速く速くなっていきました。

当初、インターバルに対して拒否反応を示していたのですが、蓋を開けてみれば大苦戦したのはペース走の方でした。
時期が真夏ということもあり、長い距離を踏むには向いていない条件であるということを抜きにしても、全然うまく走れない。
一人では辛いということで、一度8月に多摩川で行われる20kmのレースに出場してみたものの、最初の2kmをキロ4分で走った以降はそのままずるずるとペースを落とし、10キロ折り返し後は歩くようなペースにまで失速、最終的には1時間31分を超えるタイムでゴール。

あまりの情けなさと無力感で半べそで電車に乗って帰りました。

とにかく全然速いペースが維持できない。
なんどやってもだめ。距離を少し短くしてもだめ。

仕方がなく、スタートをキロ4分30秒くらいで入り、ラスト2キロ位をキロ4分に上げて10kmというビルドアップを何度か行うことにして、ほんのすこしずつスピードに慣れていくということを行いました。
だめでもなんでも、ここでやめたら気持ちが悪い。
とにかく週2回のポイント練習を続けます。

真夏で猛烈な暑さ。朝でも気温は30℃をちょっと下回るくらい。
そんな中、なかなか成果も見えずに同じことを繰り返す日々。
精神的にはこの時期が一番しんどかったように思います。

ターニングポイントの5000m記録会

そんな中、一つのターニングポイントとなったのが8月下旬に行われたトラックの5000m記録会。
サブスリーを狙い始めた7月中旬に、トレーニングの一つの指標として走ってみようと申し込んでおりました。

あくまで目標はフルマラソンだし、トレーニングの一環であるので特に調整などはせず、ポイント練習の1回分として出場。
トラックレースに出るのも20年ぶり。
トレーニングとはいえ、あのトラックレース独特の雰囲気に心臓が喉から出そうなほどに緊張しながらのスタート。

周りは速い人ばかり。
しかも5000mの走り方なんてまったく覚えていないのでとにかく前の人にしがみつくようについていくだけ。
事前に目標なんて決めていないし、そもそもどれくらいで走れるかなんてわからなかったので、今走っているペースがオーバーペースなのかどうかもわからない。

が、まあ、オーバーペースだったんだと思います。
3000mからは意識が薄れるくらいしんどくなります。
それでも、ここで前の人から離されたらもう歩き出してしまうと思ったので必死にくらいつく。
お尻とハムストリングスは乳酸でパンパン。そうそう、これがトラックレースだ、と嫌な思い出を思い出しながら走ります。

とにかく我慢した結果、17分43秒でゴール。
びっくりするくらい上出来のタイムでした。

もうしばらくこんな思いをしたくないと思ったのと同時に、この1ヶ月強続けてきたことが間違いではなかったという手応えのようなものを掴みました。

ステージが一つあがる

他の競技もおそらくそうだと思うのですが、マラソンとか長距離というのは特に精神的なものが大きく影響します。
ほんのささいなきっかけでぐっとパフォーマンスが上がったり。
僕にとってはこの5000mが「ささいなきっかけ」でした。
ここで手応えを掴んだあと、練習のパフォーマンスがぐっと上がりだします。

例えばこの記録会直後のインターバル。
3’28”-3’28”-3’27”-3’27”-3’26”-3’23”
と、目標の3分30秒以内で5本どころか6本こなせるように。

また、ペース走も8月末には8000mを
3’59”-3’59”-3’59”-3’56”-3’55”-3’54”-3’53”-3’51”
と、キロ4分を切って走れるように。

調子に乗り、その1週間後は12000mまで距離を延ばし、
4’01”-4’01”-4’00”-3’56”-3’58”-4’00”-3’58”-3’57”-3’56”-3’57”-3’57”-3’51”
とキロ4切りに成功します。

ここにきて、一つの壁が打ち破られ、次のステージに上ったという実感がわきました。
これが9月初旬。

そこからもとにかく継続。もちろん中には思うように走れない日も、疲れてへとへとの日もありました。
が、とにかく続けていさえすればきっと前に進むと思って継続します。

そして遂に9月20日。
日中はまだかなり暑いものの、朝晩ようやく秋めいた涼しさが漂う頃。
サブスリーを目指した練習を初めて2ヶ月ちょっと。
トラックで行った20000mのペース走を

4’03”-4’00”-3’58”-3’56”-3’57”-3’55-3’56”-3’56”-3’54”-3’54”- 3’58”-3’56”-3’56”-3’58”-3’59”-3’58”-3’59”-3’59”-3’59”-3’58”
1:19’17”

で走り切り、目標であるキロ4での20km(20000m)を達成します。

この日の喜びといったらもう。
別にサブスリー達成したわけじゃないけど、大きな手応えというか、これは間違いなくいけるだろうという期待というか。

ただまあ、サブスリーはそんな甘いものじゃなかったということをこの後痛いほど知ることになります。

というわけで長々と次に続きます。

次:初サブスリーへの道のり④〜距離への耐性不足

関連:
初サブスリーへの道のり①〜前提編
初サブスリーへの道のり②〜目指したきっかけ
初サブスリーへの道のり④〜距離への耐性不足

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